「転の声」

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「転の声」

2024.07.11 Release

出版社:文藝春秋
価格:1650円(税込)

《第171回 芥川賞候補作》
舞台は、ライブチケットの転売が今よりも市民権を得ている社会。ロックバンドのフロントマン・以内右手は、長引く喉の不調が招く不安に追い詰められ、とうとうカリスマ“転売ヤー”に縋りついてしまう。

「俺を転売してくれませんか」

自分たちのチケットに“プレミア”が付いていく。高額取引の痕跡をファンのSNSで確認するたびに、湧き上がる後ろめたい喜び。

尾崎世界観にしか書けない、虚実皮膜のバンド小説にしてエゴサ文学の到達点。